昨日は、研究所主催の『傷寒論』シリーズ講義の2回目でした。
テーマは
◆胡希恕先生の「痹証治療」
です。
具体的には、まず
◆『中医内科』教科書の痹証認識
◆『傷寒論』の痹証認識
それから胡希恕先生の認識として
◆六経弁証に基づいた痹証の弁証論治
の核心部分を紹介しました。
『金匱要略』が痙湿暍病篇18条
で紹介している
◆現在は「小汗法」とよばれる用薬法
をかなり強調して紹介しました。
痹証治療の方剤はたくさんありますが
基本的にみな
この「小汗法」の範疇にあります
だから「小汗法」という「法」から
それらの方剤をつなげて理解する
という視点が
とても大切だと思うのです
胡希恕先生の医案…
◆余計な証候は書かず
そして処方するのは
◆何も加えず、何も引いていない
経方の原方
なことが多く
書くのが遅れましたが
23日はDVDの撮影でした
一般に売るDVDではないのですが
ある団体の会員店だけが入手できる
◆門外不出のDVD
をスポンサーである製薬会社の会議室
をお借りして撮影しました。
カメラマン「ごとうさん」の許可
を得て掲載しています
中医・火神派のDVDなのですが
とりあえず2枚分
◆1枚目「概論篇」
◆2枚目「実践篇①-黄耆建中湯と附子理中湯」
を撮りました。
「講義を撮影される」ことは今までにもありましたが
「撮影の為に講義をした」のは初めてです。
初めての事って、楽しいです!
撮影後は、打ち上げでごはんをご馳走になり
その後は、銀座のバーへ行きました。
桃の季節なので、まずは「ベリーニ」を頂き
(おいしゅうございました)
2杯目は、夏なので爽やかにと
「モヒート」を頂きました
でも…
使っていたラムが個性的すぎて
(「アグリコールラム」というもの)
なんだか強烈なモヒートでした
私はあんまり
好きじゃないですね
マティーニのベルモットが
チンザノだったら嫌ですが
モヒートのラムは
バカルディで良いのです
一緒にいた方が頼んだ
フレッシュトマトの「ブラディマリー」
も飲ませていただいたのですが
トマトがフレッシュなせいで
全くお酒の味がしません
とても美味しいのですが
バーテンさんは
◆「カクテルなのにお酒の味がしない」って
どうなんだろうとも思っています
と仰っていました。
そう言われれば
そうですね。
とても印象に残った
お言葉でした。
書くのが遅れましたが
8月20日・21日は
北京中医薬大学・日本校の夏季特別講座で
◆「20世紀の方剤学」(全10時間)
という講義をしました。
とっても楽しかったです!
細かい内容は紹介しきれませんが
私が伝えたかった中心のところは…
①西洋医学の診断を踏まえた
「弁病→弁証→論治」という方法
②「論治」の大切さ
といった感じでしょうか。
「弁証」と「論治」って
繋がってはいますけど
それぞれ全く別の文化(知恵)です
なのに日本の中医学は
「弁証」ばっかり重視していて
「論治」はあまり伝わっていないと思います。
全然関係ないですが
五反田の「気になる看板」
↑
凄くないですか?
このコピー
たとえば
相手に「愛してる」と伝えたい場合
どういう言葉や態度で表現するのか
具体的な方法はたくさんありますよね
論治もそれと同じです
治法は同じでも
具体的な用薬法は色々です
その「色々」を知ることが
論治文化を学ぶことになります
たとえば
◆「四君子湯」と「補中益気湯」の共通点と違い
◆「理中湯」と「小建中湯」の共通点と違い
◆「帰脾湯」と「黄耆建中湯」の共通点と違い
◆「帰脾湯」と「温胆湯」の繋がり
◆なぜ「帰脾湯」の理気薬は陳皮でも
枳殻でも厚朴でもなく「木香」なのか?
◆「十全大補湯」には川芎があるが
「人参養栄湯」に川芎がないのはなぜか?
◆「人参養栄湯」に遠志があるのはなぜか?
◆「桃核承気湯」に桂枝があるのはなぜか?
◆「血府逐瘀湯」の桔梗にみる温病学の知恵とは?
といったことを知ることでしょうか。
論治という「偉大な文化!」
少しずつでも
伝えて行きたいと思います。
頂いたゴーヤの中味
種の周りの赤いゼリー状の部分
おいしく頂けます
↑
ごちそうさまでした。
さて
◆中医を学ぶなら古典を読もう
という話の続きです
もちろん古典を読まなくたって
・中医学の本を読んだり
・中医学の講義をきいたり
すれば
◆「中医」と関わるプロとして
◆「仕事に使える認識」を手に入れる
ということはできますよ。
でもそういう
◆実は基礎がない状態
で仕事を続けるのは
落ち着かないのではないでしょうか?
少しずつでも古典を学んでいれば
落ち着くように思います。
それに「古典を読んでいない」って
中医学とちゃんと付き合ってないですよね
なんというか…
◆いつも「夜這い」だけしている
みたいな
◆相手とまともにデートしたこともなければ
◆そもそも相手の顔も知らないままだ
といった感じがします。
それはやっぱり
良くないと思うのです。
という訳で…
興味をもったのなら
ちゃんと「中医学さん」と
つきあってあげてください。
私も…
「中医学さん」とのつきあいだけは
けっこう長くなりますね
中医を学ぶ時
とにかく
◆「古典の原文」を読む
もちろん今は皆
教科書から始めますよね
私もそうでした。
でもそれはまだ
◆中医を学ぶ準備
なのです。
少しずつでも
色々な原著を読んでみて下さい。
原著を読むと
書いた人の息吹が伝わってきます
(特に個人の著作は)
真っ白な紙に
1文字目から本を
書き始めた人の「想い」が
感じられるのです。
文化というものは
やはり
◆人から人へ伝わるもの
だと思います
そして上で書いた意味で
◆本は人
なんですね。
(つづく)
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