昨日は「高輪のネエさん宅」で、秘書さんと共にごはんをご馳走になりました。
たくさんのおいしいお料理、ごちそうさまです。
どれも美味しかったのですが、1番は「焼きたけのこ」でしたね。
煮ないで皮ごと焼いているので、噛んだ時に立ち昇ってくる香りがそれはそれは強烈です。
野性味あふれる香りで、脳の中に「ちょっとした爆発」が起こります。
しゃぶしゃぶのお肉に合わせているのは「花ざんしょ」です。
小枝を取り除く作業だけで2時間かけてくださったとのこと。
ありがとうございます。
さて、手技の話ですが、ネエさん宅で飼っている猫の「太郎やっこ(♀)」に捏脊をしてきました。
捏脊とは
◆まずうつ伏せになって背中をだしてもらい
◆脊椎上の皮膚を「皮下の脂肪や結合組織ごとつまみ」、つまんだものを骨か
ら分離させる感じで垂直に軽く上に持ち上げる
◆という作業を「下→上」とスライドさせながら
◆「おしりの割れ目の上端」から「うなじ上部の髪の生え際」あたりまで行う
という作業を3回ぐらいくり返すものです。
中国語では「ニエジ」とか「ニエニエ」と言います。
「なんだかお腹の具合が悪いので、ちょっとニエニエしてください」みたいに言うんですね。
ニエニエし始めたら、気持ちよさそうにしてくれました。
やる方(私)も、イッちゃってます。
で、ニエジ。
中国では、特に「中医小児科」で多用されている治療手技です。
赤ちゃんや子供の消化不良に卓効があります。
もちろん大人にやっても、「内臓全体を活性化」してくれますね。
中医を学んだ人なら、「老中医」とか「名老中医」という言葉を聞いたことがあると思います。
そして恐らく、老中医とは「ベテラン中医師」または「腕のいいベテラン中医師」のことだと思われているのではないでしょうか。
しかしこの理解は、厳密には間違いです。
なぜなら「ベテラン中医師」であっても、または「非常に腕のいいベテラン中医師」であっても、「老」中医でない中医師は、たくさんいるからです。
では「老」中医とは何なのか?
上で、わざと 老中医 ではなく 「老」中医 と書いたところに、本当の意味が隠されています。
もうお分りかもしれませんが、中医の世界の「老」には、いわば「のれん」とか「親方株」とか、または「代紋」みたいな意味があるのです。
たとえば、日本に「更科」を名乗るそば屋は数千軒とあります。
でも江戸時代の「布屋太兵衛」から正式にのれん分けした更科は、今でも10軒ほどしかありません。
また極道の世界だって、親分から杯を受けて、ちゃんと代紋を背負った上で苦労した人間でなければ、その組の跡目は継げませんよね。
老中医の「老」も、これらと似ています。
つまり老中医には「老中医の弟子」しかなれないのです。
だから学校や学会、また行政の中でたくさんの肩書きをもっている「大教授のベテラン中医師」であっても、本物の「老」中医たちの前では、小さくなっていたりします。
自分が「どこか外部」であることを、自覚しているからでしょう。
逆に言えば、相当な大物「老」中医の弟子であれば、40歳ぐらいであっても、他の「老」中医たちから、「あいつはもう“老”を名乗ってもいいな」と認められていたりするのです。
良い悪いは別として、伝統とは、そういうものなのだと思います。
昨日は、秋葉原で講義をしてきました。
日本中医食養学会さんの関連講義で、内容は「中医基礎理論」です。
5時間完結だったので、「蔵象学説」にスポットを当てて話しましたが、それでも五臓全ては話し終わらず「腎の途中」で終わっちゃいました。
やや急ぎつつ、でもなるべく丁寧に話したので結構かかりましたね。
で「中医基礎理論」、私が持っている講義では
・北京中医薬大学日本校――――――――→20時間
・東京医療福祉専門学校(針灸学校)―――→40時間
・クラシエ薬品―――――――――――――→50~60時間?
で話します。
北京中医薬大学の本校では「中医基礎理論―90時間」なので、これでもかなり少ないんですね。
日本でやる場合、一体どれぐらいが丁度良いのでしょうか?
もちろん聞き手のニーズ(職業?)にもよるのですが。
日本の場合、中国みたいに「いきなり90時間」とかではなく、「基礎理論1」「基礎理論2」みたいに、同じ内容を重複しながら、少しずつ内容を深くしていくのが良いのかも知れませんね。
良いアイデア、またご意見がおありでしたら、ツイッターの方にでもつぶやいていただけると嬉しいです。
参考にさせていただきます。
写真は、部屋に置いてあるドラエモンです。
北京時代、友人の部屋でドラエモンを見かけて「部屋にドラエモンが居るっていいな」と思って以来、私も置くようにしているのです。
でも日本人なのに、なぜか「中国で買ってきたニセモノ」を置いてあります。
ある意味、貴重かも。
今日は、税理士さんの事務所を訪ねて築地に行ってきました。
せっかくの築地なので、まずは場内のお店でおすしを…。
さすがに美味しいですね。
大和寿司というお店です。
私は札幌に13ヶ月ほど住んでいたことがありますが、お寿司は断然!江戸前だと思います。
もちろん札幌から小樽に行ったりすると、お刺身なんかは抜群に美味しいのですが、でも!「お寿司は別物」ですね。
やっぱり江戸前の寿司は、「料理として、ちゃんとこしらえられている」のです。
食後、ぶらぶらしていたら「辛い香辛料の専門店」があり、店先でカシア(シナモン)が売られていました。
生薬名でいうと「肉桂」ですね。
我々中医学の分類では
・「辛甘熱」(辛くて甘くて熱い)という性質をもつ
・「温裏薬」(体の内部を温める薬)
です。
もちろん「冷え性の人」にも使いますが、「気血が足りない人」に使うこともあります。
気血を補う薬に「少量の肉桂」を加えることで、気血を作り出す働きを強めてあげるのです。
十全大補湯のような使い方が、その実例といえます。
話は戻りますが、食後面談まで時間があったので、場外でカフェを探して入りました。
築地にたくさんある「タバコの煙で空間が白くなっている昭和な喫茶店」を避けて、やっと見つけた「オープンカフェ」です。
で税理士さん、やっと「この人なら」という人に出会えました!
顧問契約を結ぶことにいたします。
先日、筑波大学の准教授で書道家の菅野智明さんが、新しい御著書を送ってくださいました。
ありがとうございます。
菅野さんとは北京での1年目、中国語を学ぶための大学である「北京語言大学」で、同じ寮に住んでいました。
よく2人でごはんを食べたり、古本屋を巡ったりしたものです。
書の専門家ですからね、一緒に故宮に行った時は、その知識の深さに感動したのを覚えています。
なにか字が書いてあれば、その場で全て読み下してくれちゃいます。
しかもいわゆる「墨で紙に書いてある書」とか「山水画に書いてある文字」とかだけじゃなく、「青銅器に彫られている金文(紀元前の漢字)」までスラスラ読み下してくれるのです。
さらに書を見たって「これは第●代の皇帝の字ですね」とか教えてくれたり、また看板に印刷してある解説の誤りを指摘してくれたりもしました。
今思うと、「最高のガイドと一緒の、贅沢な観光」でしたね。
さて菅野さんの本ですが、いつも本当に見事な字で、一言添えて贈ってくださいます。
私も自分の本が出るたびに彼に贈るのですが、その時だけは、字を書くのが本当に「はづかしい」です。
また菅野さんには、私の「蔵書印」を2つ彫っていただきました。
「小金井信宏所蔵書」と「信宏蔵」の2つです。
まだ全蔵書に捺してはいませんが、一部の蔵書に捺してあります。
私は青銅器の饕餮紋(トウテツ紋)が好きなので、「信宏蔵」の方は、「金文調でトウテツ紋をあしらった感じで」という注文をつけて作っていただきました。
代金は「出世払いで」とお願いしてあるので、まだお支払いしていません。
頑張って、「出世」したいと思います!
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